近年、働き方の多様化が進む中で、フリーランスSESという選択肢を選ぶ人が増えています。しかし、実際にフリーランスSESとして働くとなると、案件獲得や将来への不安、スキルアップの方法など、さまざまな悩みを持つ人も多いのではないでしょうか。
今回は、SES企業のエンジニアからフリーランスSESに転身したKさんに、フリーランスSESとして独立するまでのリアルな体験談を伺いました。会社員時代とのギャップや、実際の案件の探し方など、独立1年目のリアルな声を赤裸々に語っていただきました。
SES企業への不信感が独立のきっかけに
まずはKさんのこれまでの経歴について教えていただけますか?
Kさん(以下、K): はい。私は以前、上場もしている比較的大きめのSES企業でJavaのエンジニアとして働いていました。客先常駐とリモートの併用で仕事をしていましたが、月収は22万円、ボーナスを含めても年収は300万円程度でした。
SES企業での働き方について、どのような点が不満でしたか?
K: 一番大きかったのは、仲良くなった客先のリーダーから「単価上げたよ!」と言われたのに、給料には一切反映されていなかったことですね。その時、初めて会社がとっている中抜きについて疑問を持ちました。「自分がどのくらい稼いでいるのか?」「会社はどれくらいのマージンを取っているのか?」といったことを考えるようになりました。
そこからフリーランスSESという働き方を知ったんですか?
K: そうですね。基本的に客先でずっと仕事をしてて、会社が何かやってくれているという感覚が無かったので、「会社に雇われず直接客先と契約したらマージンとられず収入がめっちゃあがるのでは?」と思うようになりました。そして色々と調べていくうちに、フリーランスSESの存在を知って、某大手エージェントに登録してみることにしました。するとエージェントの担当者から「今のスキルであれば、年収500万円程度はいけるはず」と言われました。
200万円もアップですね!それを聞いてどう感じましたか?
K: 正直、驚きました。「もしかしなくてもフリーランスになった方が絶対お得だな」という気持ちが強まりました。その時点で、会社を辞める決意が固まりましたね。
【意外と楽?】独立を決意してから案件参画に至るまで
会社にはどのように退職の意向を伝えましたか?
K: 12月に営業担当に今月末で退職することを伝えました。すると、「来年4月に給料を上げられる」と言われたんです。通常の昇給額は5,000円程度ですが、「特別に2万円アップする」と提案されました。
年収的には3,40万円程度のアップですね。その提案は魅力的でしたか?
K: いえ、すでにエージェントから500万円は稼げると言われていたので、2万円の昇給では全く魅力的に感じませんでした(笑)。そこで、フリーランスになることを決意しました。
そうですよね(笑)。フリーランスとしての案件探しは大変でしたか?
K: いえ、基本的にエージェントに任せていたので大変さはありませんでした。紹介された案件の面談を受けるだけだったので、思ったよりもスムーズに進みました。平日の昼間に面談が組まれることもあったので、12月は有休をフルに活用して面談を受けまくりました。
そして、結果的に年収700万円の案件に参画したんですね?
K: はい、独立して最初の案件で年収700万円を達成することができました。やってることはそれまでと大して変わらないのに、ただ独立するだけで年収が倍以上になったので自分でもびっくりしました。
仕事内容はSES企業時代と変わりましたか?
K: いいえ、ほとんど変わりませんでした。スキル的にも求められるものは大差なく、「何ができるか」よりも「どこでやるか」で収入が大きく変わるんだなということを実感しました。それと同時に「会社にめっちゃ中抜きされてたんだな」ともっと早く気づいてたら、もっと早めに生活が楽になっていたのになと思いました。
最後に、これからフリーランスSESを目指す人にアドバイスをお願いします。
K: フリーランスSESは、案件が見つかるかどうか不安というリスクもありますが、それ以上に収入の面で大きなメリットがあります。正直自分は営業能力が皆無ですが、エージェントを利用することでスムーズに案件を見つけることができました。もし今の会社の給料に不満を持っているのであれば、一度フリーランスという道を考えてみるのも良いかもしれません。
まとめ
会社員SESからフリーランスSESへと自身のキャリアを転換させて大幅な収入アップを果たしたKさん。フリーランスとしての働き方は、営業の手間や案件獲得の不安があるものの、エージェントを活用することでスムーズに案件を見つけることが可能になります。Kさんのケースは、SES業界で働くエンジニアにとってとても参考になりますね。特に、現在の会社の給与に不満がある人は、一度フリーランスという選択肢を検討してみるのがいいかもしれません。