フリーランスSESの世界に飛び込むと、収入があがり生活が豊かになる一方で、リスクや不安もついて回ります。これから初めてフリーランスSESとして活躍しようと考えているエンジニアの方に向けて、成功に必要な5つのヒントをご紹介します。
1. エージェント選びは慎重に
近年、フリーランスエージェント企業は数多く存在しており、その中から質の良いエージェントを見極めるのは非常に困難です。良質なエージェントは、案件の質や条件、さらにはあなたのキャリアアップに直結するアドバイスを提供してくれますが、注意点も存在します。
- 信頼できるエージェントを選ぶ
現在、フリーランスエージェント企業は非常に多く、その質も様々です。いいエージェントに出会うことは良い案件に参画できることと同義です。おすすめは実際にそのエージェントサービスを利用している人の話を聞くことですが、周りにそのような人がいない場合はネット上の口コミやSNSの評判を調べることをおすすめします。 - 同じエージェント企業内でも担当者の質にばらつきがある
同じ企業に所属しているエージェントでも、担当者によってはあなたの希望やスキルに合わない案件を紹介されたり、適切なフォローが受けられない場合があります。担当者ガチャにはずれたなと思ったら、別のエージェント企業を利用することも含めて判断する必要があります。 - 「はずれ」のエージェントに注意
万が一、担当エージェントがあなたの期待に応えられない場合、的外れな案件が紹介されたり、連絡がつかなくなるなどのトラブルが発生する可能性があります。こうしたリスクを避けるためにも、初期の段階で複数のエージェントに登録し、比較検討することをおすすめします。 - 複数エージェントへの登録を検討する
一社に固執するのではなく、複数のエージェントに登録しておくことで、万が一のトラブル時にもバックアップが効く体制を作り、より良い案件に巡り合うチャンスを増やしましょう。
エージェント選びは、フリーランスとしての成功の基盤を固める大切なステップです。慎重なリサーチと、複数の選択肢を持つことで、より充実したキャリアスタートが実現できるでしょう。
2. 自身の市場価値を正しく評価しよう
フリーランスとして収入を今より大幅に上げるには、自分のスキルや経験の市場価値を正しく評価することが非常に大切です。自身の市場価値を低く見積もると、エージェントに中抜きされる金額が大きくなってしまうリスクがあります。
- なぜ市場価値を正確につかむのが大事なのか
自分のスキルや経験を適切に評価し、市場価値に合った希望単価をエージェントに伝えることが、損をしないための第一歩です。市場価値を正しく理解していないと、エージェントが自動的に低い金額で交渉してしまい、結果的に中抜きされる金額が大きくなってしまいます。 - 中抜きが増える具体例
例えば、あなたの市場価値が月60万円だとします。もし希望単価を45万円と低く伝えてしまうと、70万円の単価の案件が取れた場合でも、エージェントが差額の25万円を全て中抜きしてしまう可能性があります。一方で、最初から希望単価を60万円と明確に伝えていれば、その案件で正当な金額を受け取ることができます。 - 単価で損をしないためには事前のリサーチが必須
案件がまとめてあるサイトなどを見て、自分のスキル感だとどのくらいの単価の案件がとれそうかを調べましょう。身近にフリーランスとして働いているSESの方がいれば話を聞いてみましょう。どのくらいのスキル感だと単価がどうなるかを把握しやすいです。
自身の価値を正しく理解し、適正な単価で交渉することで、エージェントに中抜きされるリスクを最小限に抑え、安定した収入を得ることが可能になります。
3. 退職前にしておくべきこと
フリーランスに転身する際には、現在の正社員としての身分を活かして、後々困らないための準備をしっかりと行うことが重要です。以下の点に注意して、退職前に必要な対策を講じましょう。
- 正社員のうちに審査が必要なものは一通り審査を受けておこう
フリーランスとして活動を始める初年度は、社会的信用がゼロに近い状態となるため、クレジットカードの新規発行や銀行口座の開設、さらには引っ越しの審査に通りにくくなる可能性があります。正社員としての身分があるうちに、これらの手続きや審査を済ませておくことが、生活面での安心感を得るために不可欠です。 - 退職後の収入保証としての雇用保険
退職後、すぐに案件が見つからなくても、雇用保険が受給できる場合があるため、一定期間は収入の保証があることを理解しておくと安心です。ただし、雇用保険の条件や受給期間については事前に確認しておくことが大切です。 - 収入アップのためのスキルシート強化
現在の案件で、より上流工程への参画、リーダー経験の獲得、さらには新たなプログラミング言語や技術の実務経験を積むなど、スキルシートに記載できる実績をしっかりと増やしておくことも重要です。これにより、フリーランスとして活動を開始した後も、より高単価の案件や幅広い分野での案件獲得が期待でき、収入アップにつながります。
これらの準備を退職前にしっかり行うことで、フリーランスとしてのスタートダッシュが円滑に進み、万が一の際にも生活面での不安を軽減することができます。
4. 始める約1か月前から準備を始めよう
案件は大体、開始1か月前から出回り始めるため、フリーランスとしてスムーズにスタートするためには、早めの準備が不可欠です。例えば、4月からフリーランスとして活動を開始したい場合、3月までにはエージェントに登録し、希望条件や案件の詳細についてすり合わせを済ませておくと安心です。
- 案件出回りのタイミングに合わせた準備
多くの場合、案件は開始1か月前から情報が流通し始めます。フリーランスとして働き始める1か月前にはエージェントとしっかりコミュニケーションを取り、希望条件や案件の相性を確認しておくことが大切です。 - 面談依頼に備えた現場との調整
案件探しが始まると、マッチした案件の面談を受ける必要があります。案件先からの面談依頼はたいてい平日に来るため、現職とのスケジュール調整が必要です。事前に休みを確保できるよう、現場との連絡や調整を進めておくと、面談参加もスムーズに行えます。 - 早期決定の事例もある
実際には、フリーランス開始1週間前から案件を探し、無事に決まったという例もあるため、焦らず準備を始めれば安心してスタートできるでしょう。
このように、開始1か月前から計画的に準備を進めることで、フリーランスとしての第一歩をスムーズに踏み出すことができ、安心して新たなキャリアにチャレンジすることが可能になります。
5. スキルシートを充実させよう
スキルシートは、エージェント、営業担当、さらには現場のエンジニアが目を通す「顔」となる重要な書類です。そのため、それぞれの読み手の気持ちを意識しながら、魅力的かつ具体的な内容で埋め尽くすことが求められます。
- 誰が読むかを意識して記載する
スキルシートを読むのはエージェントや営業担当、そして現場で実際に働くエンジニアです。エージェントや営業は技術に関して知識がエンジニアほど豊富ではありません。あなたのスキルシートを読んで、「このスキルがあるなら○○の案件にエントリーできそうだ」など彼らが一目であなたの強みや実績を理解できるよう、具体的なプロジェクト経験や使用した技術、成果などを詳細に記載しましょう。また、面談は現場のエンジニアとスキルシートを見ながら行うため、エンジニアが食いつきそうな話題や経験を盛り込むと面談がスムーズに進みやすいです。 - スカスカはNG
内容が薄いスキルシートでは、実績が少ない印象を与え、案件獲得のチャンスを逃してしまいます。たとえ小さな経験でも、できるだけ多くの情報を書き込み、あなたの技術や経験の幅をしっかりアピールすることが大切です。 - 何を書けば良いかわからない場合はエージェントに相談
どの情報が案件獲得に繋がるのか迷った場合は、エージェントに相談してみましょう。エージェントは、どのような内容がクライアントに響くかを熟知しており、具体的なアドバイスをもらえるケースも多いです。 - 強気なアピールと実力の裏付け
謙虚すぎる表現よりも、「自分は何でもこなせる」といった自信のあるアピールが、現場やエージェントに好印象を与えます。もちろん、実力が伴わない場合は自主勉強やスキルアップに努め、書かれた内容と実力が一致するよう努力することが必要です。
スキルシートはあなたのキャリアの窓口とも言える重要なツールです。具体性と自信を持って作成することで、案件獲得への大きな一歩を踏み出しましょう。
結論
フリーランスSESとして成功するためには、計画と戦略が不可欠です。エージェント選びや市場価値の正しい評価、退職前の準備、開始前の計画、そして魅力的なスキルシートの作成など、各ステップを着実に進めることで、より安定した収入と充実したキャリアを実現できるでしょう。今後の挑戦に向けて、これらのヒントを参考に、自信を持ってフリーランスとしての一歩を踏み出してください